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夏休みの山登り 「聖岳」 [山登り]

夏休み二日目の金曜日に実家に帰省しました。

今回はいつものような飲み会はせずに

旧職場の仲間であるNミッキーと南アルプスに行ってきました。

登った山は日本アルプスの3000m級では一番南に位置する

標高3013mの「聖岳(ひじりだけ)」です。

最近の山ブームで南アルプスも登山客で大賑わいですが

そんな中でひっそりとたたずむ「聖岳」は昭和30年ごろまでは

登山客も入らない山だったそうです。

何しろアクセスが大変な場所で国内3000m峰21座制覇や

日本百名山制覇においても最後に残されるほどなんですって。

そのアクセスの悪さは登山の玄関口となる飯田市遠山郷が日本秘境100選

に選ばれるほどで、まず国道が断たれていて公共交通機関が皆無。

最寄りの大きな市となる飯田市や浜松市には車の離合が難しそうな

山道しかないってほどでおまけにこの「聖岳」の登山口である

「便ケ島(たよりがしま)」にはこの遠山郷からさらに車で

未舗装路を1時間近く進まなければなりません。

15日土曜日の未明に富士を出発し新東名の浜松から一般道に降り

山道を約3時間走り続けて午前6時に「便ヶ島」に到着した時は

睡眠不足もたたって精神的にまいってしまっていました。

しかし素晴らしい天気の良さに疲れは一気に飛び

おにぎりを頬張って出発です。

便ヶ島標高984mから山頂3013mの標高差2029mの

日帰りピストンは頑張り甲斐がありますね。

さて登山道入口の坂道を進むといきなり現れるトンネル…

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じつはこのトンネルは元々は森林鉄道用のものだったのです。

この地区では林業がさかんで切り出した木を鉄道で運び出していたそうで

昭和40年代まで利用されていたそうです。

その鉄道の軌道が遊歩道となりトンネルだけが当時の面影を残しています。

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そのトンネルを抜けると鮮やかな緑!

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この季節は青々していて目に心地いいですね。

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その鉄道の軌道跡の遊歩道を進みます。

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大きな巨木は「カツラ」の木です。

お香にも使われる葉っぱでして黄色く色づいた落ち葉からは

爽やかな香りが鼻腔をくすぐります。

しばらく遠山川沿いを進み川を渡ると山に取り着きます。

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下って来る人がほとんどいないのは昨日までの天候不順から

山での宿泊者がいないからでしょうか?

私も夏休みの中で山行の日程を天気図とにらめっこして考えてましたが

この日にして大正解でした。

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しばらく歩くといつの間にか登山道が赤く見えてきました。

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よーーく見ると登山道が赤いのではなく

石が赤いんですよね(´・ω・`)

実はこの赤いのは放散虫というプランクトンが堆積してできた石なんです。

だからここは元々は海底だったんです。

100万年前の地殻変動で隆起してできたのがこの一帯の南アルプスなんです。

ですから南アルプスの赤石岳の名前の由来となった赤石沢の赤石も

この放散虫の赤石が由来なんですって。

100万年前の事を考えながら歩いているといつの間にが

辺りは緑一色の世界に変わって来ました。

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苔とシダに囲まれたこの場所は標高2200mの「苔平(こけだいら)」

3000m峰の山肌にぶつかった偏西風が雨を降らし

湿った空気に包まれた一帯は苔の繁殖に好条件となり

辺り一面は緑の絨毯と化しています。

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今回は日帰りで時間の事ばかり考えていましたが

こいう場所は時間に余裕をもって

じっくり緑の中で悠久の時を実感したいですね。

その苔蒸した世界が2500mの森林限界を超えると

景色はガラリと変わり辺り一面お花畠となってました。

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南アルプスの山々は数多くの花で賑わう事で有名ですが

この「聖岳」でも多くの花々に目を奪われ癒されました。

そしてこの花畠を超えると後はガレ場の山頂直下です。

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ほぼノンストップの標高差2000mで最後はキツかったけど

登頂して南アルプスの主峰を見渡すと

疲れは一気に吹っ飛びました。

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その後は一気に下山して便ヶ島から下界に戻りました。

それでも往き同じく帰り道の山道は延々と続き

結局24時間睡眠なしで富士に戻りました。

「聖岳」は日帰りピストンは問題ないのですが

アクセスの事を考えると前泊とか後泊の方が健全でしょうね。

またそうすれば途中の遠山郷や下栗地区の散策に

時間が割けると思いました。


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