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【危】奥穂~ジャンダルム~西穂高 [山登り]

三連休初日の「穂高岳山荘」は今シーズン一番の賑わいであった様で

布団一組に大人二人とかなりフレンドリーな夜となりました。

と、言っても野郎同士が寄り添って寝るってかなり稀有な

シチュエーションとなりますがここは冷静に

「宜しくお願いします」と新婚初夜を迎える花嫁気分(´ω`*)

 

車中泊の前夜は2時間程度の睡眠で初日の急登山行ですから

バタンキューと思いきや全く眠れません。

左右の人が少し動くだけでまどろみかけた神経が過敏に反応します。

 

そんな事を2時間おきに繰り返し朝を迎えました。

睡眠不足と過労で若干頭痛が…

気分も悪く食欲もありません。

 

このまま昨日のルートで帰ろうかな?

下りだけだから4時間もあれば下山できるなぁなんて

お茶を飲みながらボケ〜としてましたが外の歓声に気づき

外に出ると…

 

 

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おお!朝焼けがキレイ!

山荘も真っ赤に染められていてまさに太陽のテラス!

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この朝焼けを見てたら先ほどまでの(帰ろうかな?)

なんて気持ちはなくなりました。

そうじゃん!昨日のオヤジさんと約束したんだし

せっかく山行保険までかけたんだからデンジャラス

コースを楽しまなきゃと訳わからん理由まで浮かびます。

 

奥穂高2日目の予定は北アルプスの中でも危険度、難度

ナンバーワンのジャンダルムを経由して西穂高岳そして

その先の西穂山荘からロープウェイで下界に戻るルートです。

 

毎年重大事故が発生している西穂高周辺ですから

ヘルメットなどの装備だけでなくルートファインデイング

などの判断力が要求されるルートです。

 

山荘で頼んでおいたお弁当を受け取り5:30出発です。

昨日の様に山荘横の奥穂高へのハシゴからがスタートです。

 

と、その時女性のけたたましい声が…

「痛ーーーい!痛いぃぃぃーーーーーー!」

((((;゚Д゚))))))) えっ?なになに?

 

どうやら前方でハシゴ待ちしていた女性に上から落ちてきた

石が直撃したようです。

「石落とした人!動かないで!キィー!」

すぐに騒ぎに気付いた山荘スタッフが駆け寄り連れて行きましたが

かなりの出血です。

 

いきなり緊迫する場面となりました。

女性もかなり興奮して落石を起こした人に詰め寄る

勢いでしたがこういう場合は法的にどうなるのかな?

起こした人はワザとではないし女性はノーヘルだし…

私は他人事ではないなとヘルメットのあごひもを

締め直しましたがそれは後の事件のほんの序章でしか

ないと言う事に微塵も気付いていませんでした。

 

 

奥穂高山頂で朝のロケーションを楽しみます。

蒼くピーンと張った空気が身体を包みます。

遠くには富士山と手前には標高2位の北岳と4位の間ノ岳が見えます。 

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北を見ると槍ヶ岳もくっきりです。 

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おっと今日は景色よりも足元をしっかり見なければ!

なぜならばこれからのルートは連続したピークの繰り返しで

そのルートは50cmにも満たない場所もあり

おまけに両サイドは1000m以上の谷底が口を開いてます。

 

おーし!行くどーヽ(`Д´)ノ フンガー

 

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まずはこのナイフエッジを超えると…

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次は馬の背と呼ばれるこれまた鋭利な尾根が待ち受けます。

遠くから見ると馬の背と言うより恐竜の尻尾を登ってる感じ!

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若干渋滞気味なのはこの日20人近い外国人ツアー客がボトルネックとなってます。

かなた下の方で休憩してるグループがそのツアーで

かなりこの下りで時間を要した模様です。

馬の背は登りより下りがスリリング!

背中を向けて降りるより滑り台気分が丁度いいかな?

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馬の背を振り返った様子ですが

やっぱり恐竜の背中って感じです。

 

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左手前かロバの耳で右の台形の形をしたのが

このコースの人気スポットジャンダルム!

ロバの耳はピークには上がれず下をトラバースします。

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トラバースと言ってもこちらもスリリングなプチロッククライムです。

と、この時後方でさきほど追い抜いた外国人ツアー客が漬物石ほどの

落石を起こしました!

あわや!下にいた日本人男性をかすめます!

あっぶね〜

 

 

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ピークが連続しそ高度差もある事からかなりの体力が失われます。

西穂山荘まで水場もありませんから水分補給にも気を使います。

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ジャンダルム登頂!

360度のパノラマ風景が広がります。

そしてこのジャンダルムの横書きの看板こそ昨日の石川県から

来られたあのオヤジさんの手作りの作品なんです。

(オヤジさん!しっかりカメラに納めたよ!)

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頂上が白くなってるのが西穂高ですがなかなか距離が縮まりません。

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V字のスロープをツツツーと降ります。

これを逆コースで登るのは御免だな…

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かなり朝からヘリコプターがホバリングを繰り返してるのが見えます。

後で聞けばやはり西穂高周辺で女性が滑落した模様です。

ここでの滑落は死を意味しますが大事には至らなかった様です。

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こんなコースの連続ですから気は緩められませんね。

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天狗岳ピーク手前「天狗のコル」

ここで暫し休憩ヽ(^。^)ノ 

 

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山荘で朝受け取ったお弁当を開けます。

奥飛騨名物である朴の葉(ほうのは)で包まれた酢飯弁当です。

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ちくわの天ぷらに鮎の甘露煮が付き美味しそう!

しかし相変わらず食欲ナッシングな私…(´・ω・`)   

二口ほどついばんで 「ごちそうさま」

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食欲はないけど目の前の壁には屈しません!

でもほとんど垂直だお〜

 

 

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なんとかこやつもクリアーして振り返った図と

下は天狗岳山頂の看板!

オヤジさん!こっちもガタがきてますぜぇ!

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間の岳へ通じる岩壁ルート!

人がアリの行列の様です。

拡大するとルートが見えてくると思います。

ここでもルートはマーキングされていますから

見落とさない限り見失う事はありません。

万が一マーキングがない場合は踏み跡を見極めるスキルが

必要となってきます。

 

しかし!ここで今回のコース中一番のヒヤリ事故勃発!

 

一時間くらい私と前後して進んできていた二人連れがいたのですが

その先輩格が私の目の前であわや!滑落!

((((;゚Д゚)))))))

ガラガラガラガラララララ…

と、そいつの肩を抱きかかえ助ける後輩君!

ナイス!後輩君!

彼が支えなかったら間違いなく1000m下の谷底でした。

その時起きた落石の音は30秒ほど途切れませんでした。

 

しかし先輩格はどうやら右足捻挫です!

全く動けず!

「110番ですよね!」

「いや、ここなら西穂山荘かロープウェイ駅経由で

救助ヘリを頼む方が…」と、私。

そこで後輩君はスマホ取り出しなんとか電波を拾えた

docomoはさすが!

 

でもホント電波拾えたから良かったものの

これが圏外なら大変な時間を要しての通報になったことでしょう。

 

後輩君を元気つけて私は進みます。

 

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逆層スラブ

西穂高に向かう場合は鎖を垂直降下する感じですが

これも逆コースの場合は大変ですね。

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そして目の前に現れたのがゴール手前のポイントとなる西穂高岳!

要約ここまでたどり着きました。

ここも垂直の岩場を慎重に登ります。

とにかくこの辺りは浮石が多く大丈夫と思った岩が

スポーンと抜ける事は珍しくありません。

 

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そしてついに西穂高山頂

 キ・キ・キ・キタ━(゚∀゚)━!!!! 

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西穂高をクリアーすれば後は西穂山荘までなだらかな斜面というイメージが

ありましたが…

山荘の屋根がはるか遠くに見えそこまではまだまだいくつもの

小さなピークが続きます。(´Д`;)アヒ~  

 

お隣のピラミッドピーク登頂!

 

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西穂高の隣、ピラミッドピークから西穂高を振り返ると

さきほど手配していた県警の救助ヘリ到着です。

ホバリングすると救助員がロープで間ノ岳ピークの

向こう側に降りて行きます。

(後輩君!頑張ったね!乙です… チョイ涙)

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かげろうの様になかなか距離が縮まらない西穂山荘の屋根がだいぶ

はっきり見えてきました。

 

 

 

 

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西穂高独標!

この辺りに来ると西穂山荘側からピストンの登山きゃくが多く

独標頂上は50人程の大にぎわいです。

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そして一つしかない鎖場で登り下りを交互通行待ちしていると

ぬわんと!修験僧が登って来られました!

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そして正真正銘の最後のピーク丸山を超えると…

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14:00

このルートの唯一のオアシス!

西穂山荘に無事辿りつけました(´Д`;)アヒ~  

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こちらもすごい人!人!人です。

 

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行動タイムはまた後ほど修正加筆しながら入れておきます。

 

初めてのジャンダルム!その稜線に続くピーク!

でも思ったほどに危険は感じられませんでした。

運が良かっただけなのか?

それでも握った岩が抜けかけた時もありましたが

基本の三点確保と浮石を確認して進めば問題ないと思います。

 

ただ今回やはり睡眠不足による疲労の蓄積はぬぐえず

後半は山荘はまだか?あのピークを越えれば…

と思いきやまたしてもピークの連続で

もう今回で山はとうぶんいいわ!

なんて吐き捨てながらの山行でしたが

振り返って記事書いているとまたまた

山が恋しくなってきちゃいます。

 

あと、十日もすれば山は紅葉に包まれるでしょう。

その時はどのピークにいるのか?

考えると眠れなくなっちゃいますね(ノ∀`)ペチョン

 

ダラダラと長文駄文にお付き合いいただき

ありがとうございました。

今回山でお会い出来た方々!ありがとうございました  ( ´ω`*)


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